同志と共に

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金吾殿御返事きんごどのごへんじ

止観の五・正月一日よりよみ候いて現世安穏後生善処と祈請仕り候、便宜に給わり候本・末は失て候いしかどもこれにすりさせて候多く本入るべきに申し候。 大師講に鵝目五連給候い了んぬ、此の大師講・三四年に始めて候が今年は第一にて候いつるに候。 抑此の法門の事・勘文の有無に依つて弘まるべきか弘まらざるか・去年方方に申して候いしかども・いなせの返事候はず候、今年十一月の比方方へ申して候へば少少返事あるかたも候、をほかた人の心もやわらぎて・さもやとをぼしたりげに候、又上のけさんにも入りて候やらむ、これほどの僻事申して候へば流・死の二罪の内は一定と存ぜしが・いままでなにと申す事も候はぬは不思議とをぼへ候、いたれる道理にて候やらむ、又自界叛逆難の経文も値べきにて候やらむ、山門なんども・いにしへにも百千万億倍すぎて動揺とうけ給わり候、それならず子細ども候やらん震旦・高麗すでに禅門・念仏になりて守護の善神の去るかの間・彼の蒙古に聳い候いぬ、我が朝も又此の邪法弘まりて天台法華宗を忽諸のゆへに山門安穏ならず師檀違叛の国と成り候いぬれば十が八・九はいかんがと・みへ候、人身すでに・うけぬ邪師又まぬがれぬ、法華経のゆへに流罪に及びぬ、今死罪に行われぬこそ本意ならず候へ、あわれ・さる事の出来し候へかしと・こそはげみ候いて方方に強言をかきて挙げをき候なり、すでに年五十に及びぬ余命いくばくならず、いたづらに曠野にすてん身を同じくは一乗法華のかたになげて雪山童子・薬王菩薩の跡を?ひ仙予・有徳の名を後代に留めて法華・涅槃経に説き入れられまいらせんと願うところなり、南無妙法蓮華経。