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銅の御器二給び畢んぬ、釈迦仏三十の御年・仏になり始てをはし候時・牧牛女と申せし女人・乳のかいをにて仏にまいらせんとし候し程にいれて・まいらすべき器なし、毘沙門天王等の四天王・四鉢を仏にまいらせたりし、其の鉢をうちかさねて・かいをまいらせしに仏にはならせ給う、其の鉢後には人も・もらざりしかども常に飯のみちしなり後に馬鳴菩薩と申せし菩薩・伝へて金銭三貫にほうじたりしなり、今御器二を千里にをくり釈迦仏にまいらせ給へば、かの福のごとくなるべし、委しくは申さず候。
みそをけ一給び畢んぬ、はらのけは左衛門どのの御薬になをりて候、又このみそをなめていよいよここちなをり候ぬ、あはれ・あはれ・今年御つつがなき事をこそ法華経に申し上げまいらせ候へ、恐恐謹言。