もって全世界の人々の眼をえぐることになるだろう。釈迦仏の御名を幼少のころは日種といい、成長された後の異名は慧日という。この国を日本という。主は天照という。
「これ我が有するところのものである。その中の衆生はことごとくこれ我が子である」等と法華経譬喩品に説かれている。
この文のとおりであるならば、この三界はすべて釈迦如来の御所領である。
寿量品にこうある。
「我は常にこの娑婆世界にあり」
この文のとおりであるならば、過去五百塵点劫以来この娑婆世界は釈迦菩薩が自由に支配された国土である。そのうえ仏の入滅後百年に阿育大王という王がおられ、この南閻浮提を三度まで僧に付属された。またこの南閻浮提の中にある大日本国に、中国の南岳大師がこの国の上宮太子と生まれて、この国の王となられた。したがって聖徳太子以降の諸王はすべて南岳大師の子孫である。桓武天王以下の諸王はまた山王…。[以下欠損]