むぎひとひつ・かわのり五条・はじかみ六十給了んぬ、いつもの御事に候へばをどろかれず・めづらしからぬやうにうちをぼへて候は・ぼむぶの心なり、せけんそうそうなる上ををみやのつくられさせ給へば・百姓と申し我が内の者と申し・けかちと申し・ものつくりと申し・いくそばくいとまなく御わたりにて候らむに・山のなかの・すまゐさこそと思ひやらせ給いて・鳥のかい子をやしなふが如く・灯に油をそふるがごとく・かれたる草に雨のふるが如く・うへたる子に乳をあたふるが如く・法華経の御命をつがせ給う事・三世の諸仏を供養し給へるにてあるなり、十方の衆生の眼を開く功徳にて候べし、尊しとも申す計りなし、あなかしこ・あなかしこ、恐恐謹言。