同志と共に

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多宝寺への御状たほうじへのごじょう

日蓮が故最明寺殿に奉った書・立正安国論は御覧になったであろうか。未来の出来事を知ってこれを勘えて申したのである。既に去る正月蒙古国の簡牒が到来している。どうして驚かないのか。このことは不審千万である。たとえ日蓮が憎いといっても勘えたところが的中したのであるからどうして用いられないのか。早く一か所に集まって御評議されるべきである。もし日蓮が申すことを用い無ければ今世には国を亡ぼし後世には必ず無間地獄に堕ちるだろう。この旨を方々へ申し上げた。あえて日蓮の私曲ではない。委細にお返事にあずかりたい。言葉では心を尽せない。書では言葉を尽せないので省略させていただく。恐恐謹言。

長楽寺への御状ちょうらくじへのごじょう

蒙古国調伏の事について方々へ申し上げた。既に日蓮が立正安国論に勘えた通りに符合した。早く邪法邪教を捨てて実法実教に帰依しなさい。もし用い無ければ今生には国を亡ぼし身を失ない後生には必ず那落に堕ちるだろう。速やかに一か所に集まって談合を遂げ評議されたい。日蓮の願うところである。お返事をたまわってその旨を聞きたい。あえて諸宗を蔑如するのではない。ただこの国の安泰を思うばかりである。恐恐謹言。